県連速報
第435号(2014.12.4)
●「平成26年度東北地方灯油懇談会」参加報告

  11月28日(金)ホテル法華クラブ仙台において、東北経済 産業局の主催で「平成26年度東北地方灯油懇談会」が開催され、宮城県生協連の加藤房子常務理事が参加しました。他、東北6県の消費者団体、JX日鉱日石エネルギー株式会社東北支店、コスモ石油株式会社仙台支店、全国石油商業組合連合会東北支部、全国農業協同組合連合会生活関連事業部燃料部南東北石油事業所、石油連盟、学識経験者、資源エネルギー庁、東北経産局、石油情報センターから17人が参加しました。
 
 経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課の山本和徳課長から「石油製品の安定供給に向けた取り組みについて」、石油連盟調査・流通業務部の田中英樹部長から「わが国の灯油需給について」、一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターの永井正博所長から「わが国の灯油価格について」報告があり、その後、消費者団体からの質問に対して回答が行なわれました。  

 国内の灯油価格とその動向に関する質問に対して、石油情報センターと石油元売り会社から「原油価格が下落していても、為替の影響があるので下がり基調になるとは言えない」「需要期に灯油価格だけが高いと言われるが、灯油価格とガソリン価格からそれぞれ税金を差し引くと、灯油価格のほうが安くなるという結果もある」「輸入製品価格は、原油価格をベースにするので、価格を吊り上げるということはない」 と回答がありました。
 灯油価格高騰への支援対策に関する質問について、東北経済産業局から「農林水産業などに影響を及ぼさないよう、行政として注視・監視していく」「総務省においては、市町村の福祉灯油の独自措置へ補助をする」と説明がありました。
 災害時など緊急事態においての安定供給対策について、製油所・油槽所の耐震対策の実施、関係省庁での 連携強化として、陸上自衛隊との連携が具体化し港湾・道路のガレキ撤去が優先されたこと、石油元売り各社に対し業務継続計画の策定の推進、民間備蓄分を災害時に放出できるようになったことなどの説明が担当者からありました。

 宮城県生協連の加藤房子常務理事は、政府の政策である大規模な金融緩和によって引き起こされた円安により、原油価格が下落しているにも関わらず、国内での灯油の市況価格に反映されず、依然として高値で推移しているを指摘し、生活再建途上の被災者はもとより消費者に大きな負担となっているため、安心して冬を過ごせるように、経済的弱者に対しての支援策の実施について要望しました。
 また、経済産業省が、エネルギー供給構造高度化法に基づいて、新たな判断基準で石油会社に対し、「設備最適化の措置」と「事業再編の方針」を含む目標達成計画の提出を求めたことに関して、計画期間の終了後に国民に取り組み内容の検証も含め、情報提供をしてもらえるようお願いしました。