県連速報
第510号(2017.1.18)

●電力システム改革貫徹のための政策小委員会中間とりまとめに対して意見を提出しました

宮城県生協連は1月17日(火)経済産業省が募集する「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」による「中間とりまとめ」に対し意見を提出しました。

経済産業省は昨年12月、福島第一原発事故の賠償や廃炉など処理費用が、従来想定の11兆円から21.5兆円に拡大したことを明らかにしました。この「中間とりまとめ」では、原発事故による賠償・廃炉費用を託送料金に上乗せして回収することなどを検討しています。
福島第一原発事故から6年がたとうとする今も、依然として事故原因の究明や責任追及がなされず、事故収束の見通しすら立っていません。事故を起こした東京電力と国の責任もあいまいなままです。
電力システム改革は、消費者の「選択」と新規参入も含めた事業者の「競争」を通じて、自由で公平な電力市場化をめざし、世界有数の高さといわれる電気料金の抑制、需要家の選択肢及び事業者の事業機会拡大、安定供給の確保などを主な目的としています。
しかし、「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」中間とりまとめでは、電力全面自由化後も、総括原価方式が残る託送料金の仕組みを使って、原子力発電の廃炉のための費用をすべての電力消費者から回収する制度が盛り込まれています。

今回の「電力システム改革貫徹のための政策小委員会中間取りまとめ」の内容は、電力システム改革の趣旨からも消費者・国民の納得性という点からも問題があるため、以下のような意見を提出しました。

【意見】
  1. 廃炉費用を託送料金に上乗せすることは、電力を利用するすべての国民に負担を求めることであり、原発以外の電力を利用したいと要望する消費者の理解を得られるとは思えません。  今後も廃炉に要する費用は発電事業者の責任で引き当て、必要に応じてその発電事業者の売電価格に反映させるべきです。
  2. 総括原価方式が残る託送料金の透明性・納得性を確保していくために、託送料金はその名の通り、送配電のネットワークに要する費用に厳しく限定すべきです。廃炉費用は発電に関わる費用であり、託送料金に含めることは適切ではないと考えます。廃炉費用の負担のあり方については、東京電力福島第一原発事故の推計される事故処理費用の規模(21.5 兆円)から考えて、国民に負担を求めるのであれば、国民の意見が反映する国会等で審議してください。託送料金は送配電のネットワークに要する費用として明確に限定すべきです。

     

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