県連速報
532号(2017.10.30)

●東北経済産業局に対し、宮城県内の都市ガス・簡易ガス事業者の経過措置料金規制の追加解除事業者に関するパブリックコメントに対し意見を提出しました

 昨年4月より実施された家庭用の電力自由化では、既存の大手電力会社(10社)に経過措置料金規制(当面、現行の料金体系も維持すること)がかけられたのに対して、今年の4月から実施された家庭用の都市ガス・簡易ガスの自由化では、自由化当初より一定の要件を満たせば、この規制が解除される制度設計が行われました。この件について、多くの消費者団体や生協は、電力自由化と同様に、既存都市ガス・簡易ガス事業者についても経過措置料金規制を課すべきと主張していきましたが、結果的に、今年の4月には、都市ガスの約190事業者、簡易ガスの約5300団地に、経過措置料金規制が課されずに自由料金となりました(規制が課されたのは、都市ガス12事業者、簡易ガス約1700団地)。  現在、これに次ぐ第2回目の経過措置料金規制の解除を、全国で都市ガス3事業者、簡易ガス240事業者について実施することについて、経済産業省の各地方経済産業局より意見募集(104日~112日)が行われています。  都市ガスの自由化では、大都市圏以外で新規参入による競争がなく、簡易ガスの自由化では、そうした競争状況自体がどうなっているかが明らかになっていません。新規参入や競争がない中で、経過措置料金規制が解除されれば、供給事業者には、規制なき値上げの自由が認められることになります。  宮城県内での該当会社は、都市ガスでは仙南ガス株式会社(対象地域:なとりりんくうタウン)、簡易ガスでは岩出山ガス株式会社(対象地域:東川原ニュータウン)、宮城ガス株式会社(対象地域:泉ヶ丘ニュータウン)、古川ガス株式会社(対象地域:大西団地)となっています。

 ガス料金が地域住民のくらしに与える影響はきわめて大きいといえます。都市ガス供給は導管というインフラが必須であり、膨大な装置産業です。とりわけ、集合住宅においては、都市ガスからLPガスへの切り替えは物理的に不可能です。多くの集合住宅の住民にとっては、都市ガス事業の新規参入がない限り、選択権はまったくなく、料金引き上げに対抗する手段もありません。これらの集合住宅の住民のことを考慮すれば、都市ガス事業者の新規参入が認められるまでは、指定旧供給区域等の指定の解除は適当でないこと、各戸建て住宅毎の判断だけで切り替えが可能か非常に疑問です。まして、集合住宅型においては、簡単には切り替えできないと思います。拙速に当該会社の指定旧供給地点の指定の解除はすべきではないとの意見を、1030日(月)東北経済産業局資源エネルギー環境部電力・ガス事業課宛に宮城県生協連として意見提出しました。

東北経済産業局資源エネルギー環境部電力・ガス事業課宛 パブリックコメント(PDF)



       
 

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