593号(2019.10.25)

●10月23日(水)学習会「これからは電気料金も自由料金になる?!~電力自由化の最終目的とは~」開催


国は、2016年4月からの電力全面自由化の最終到達点を、すべての電力事業者の価格を自由競争にし、価格抑制の実現を目指しています。2020年4月には大手電力会社の送配電部門の法的分離が行われ、事業者間での競争環境状態が整った段階で、順次現在のような料金体系(規制料金)ではない、自由競争での価格にする方向で検討がなされています。

しかし、東北エリアでのスイッチングは進んでいないのが現状です。電力自由化の本来の目的、スイッチングの状況、電気料金の経過措置解除に関しての状況・経過などについてお知らせし、消費者が電力会社を選択することの意義について理解するための学習会を、10月23日(水)フォレスト仙台において、宮城県生協連主催により開催しました。会員生協組合員、消費者団体から82人が参加しました。

はじめに、野崎和夫専務理事が開会挨拶を行いました。
その後、「これからは電気料金も自由料金になる?!~電力自由化の最終目的とは~」をテーマに、講師の公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会代表理事副会長の大石美奈子さんからご講演いただきました。
「私たちが安心して暮らせる持続可能なくらしのためには、気候変動や資源・エネルギー、生物多様性、世界の人々のことなどを考え、私たちの選択が世界の、未来世代のくらしを決めることを意識する必要があり、電気においても、どこでどのように作られているのか、どのように運ばれてきたのか、CO2や廃棄物に対し関心を持つことが必要。消費者・国民にとって『電力』は生活の基盤であることから、国は20164月の小売全面自由化に際しては、競争状態が不十分なままに『規制なき独占』に陥ることを防ぐため、低圧需要家向けの小売規制料金について経過措置を講じ、2020年3月末までは、全国すべての地域において、従来と同様の規制料金(経過措置料金)が存続することとされ、今後は概ね年に1度検討することとなった」と説明されました。
最後に、「ライフラインを切り替えるのは、とても勇気がいります。しかし、電気やガスを選ぶことによって、自分たちのくらしを見直し、さらに、将来の世代のくらしを変えていくことにつながります」とお話しされました。
電力・ガスの自由化のなかで、消費者がエネルギー選択をする意義について考える機会となりました。


講師の公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会代表理事副会長の大石美奈子さん

 

      

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