665号(2023.03.02)

●3月1日(水)講演会「どうなる私たちのくらし~物価高と消費税~」開催

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受け、燃料価格や物価の高騰が続いています。コロナ禍で苦しい私たちのくらしや中小事業者に影響を及ぼし、地域経済に暗い影を落としています。また、消費税率10%は物価高のなか、さらに国民に負担を強いるものとなっています。 このような中、政府は、異次元の少子化対策推進と防衛力強化のためとして増税を進める意向を示唆しています。物価高のなかの、税金負担の増加は、家計へさらに大きな影響を与えるものです。

3月1日(水)日立システムズホール2階シアターホールにおいて、消費税ネット主催による講演会を開催しました。生協、消費者団体、宮商連などの関係者、事業者、一般市民など270人の参加がありました。三戸部尚一代表世話人(宮城県商工団体連合会会長)の開会挨拶後、獨協大学教授・経済アナリストの森永卓郎さんをお迎えし、「どうなる私たちのくらし~物価高と消費税~」と題してご講演いただきました。

消費税の減税が経済対策としても有効なのに、なぜ、消費税が下がらないのか、それは、財務省が作った「財政破綻状態だから消費税を上げないと日本の財政が回らなくなる」という神話を国民、政治家まで洗脳し続けていることが要因。財務省が発表した2022年度の「国民負担率」は47.5%になる見込みで、10年前と比較して10%も増えた。国民負担率とは、租税負担率と社会保障負担率の合計。国民や企業が所得の中からどれだけ税金や社会保険料を払っているかを示す率で、防衛増税も取りざたされる中、江戸時代の五公五民と同じだ。消費税率10%の引き上げは、租税負担率の引き上げにつながった。社会保障負担は、保険料を労使で払っているのだが、日本は国民負担が諸外国より大きいことが問題。財務省のホームページにある連結財務諸表によると、2020年国の借金(負債)は1,600兆円となっているが、国の保有する金融資産、固定資産合わせると1,100兆円となっており、純債務は500兆円でこれが今の日本の本当の借金となる。しかし、国債の発行と日銀による国債の買い取りによる通貨発行益があり、500兆円までの借金はない。
それでも消費税を上げたい2つの理由として、財務省の利権のためと富裕層にとって効率のいい、都合のいい税制であるということ。所得税と社会保険料の負担を見ると、累進課税だから年収が増えていくと税・社会保障負担率は増えていくことになっているが、それが1億円手前のところで頭打ちになっている。だから、年収100億円の人はあまり税金を払っていない、これはおかしいだろ!と私は思う。今こそ声をあげなければならないとお話されました。
消費税のもつ基本的な問題点を学習し、消費税率引き上げ反対の運動をすすめていく意味を確認できた講演会でした。

   
 開会挨拶の様子 講師の森永卓郎さん 
 

 

 

   

    

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