2019年度の活動

     

「2019年度幹事会」「学習講演会」開催(2019年4月25日)


フォレスト仙台5階501会議室において「2019年度幹事会」を開催しました。各構成団体から代表者や部会メンバー、理事、事務局など26人が参加しました。
野崎和夫座長(県連専務理事)の開会挨拶後、幹事会に先立ち、「水道の未来を考える」をテーマに、宮城県企業局水道経営管理課技術副参事兼課長補佐(総括担当)の大沼伸さんを講師に学習しました。 宮城県は水道事業において厳しさを増す経営環境でも、持続可能な水道経営を確立するため、広域上水道、工業用水、流域下水道の運営権を一括して民間企業に委ねる「みやぎ型管理運営方式」の検討を2016年度から進めています。水道料金の上昇を抑制できるとし、民間への業務委託期間を20年間とするみやぎ型の導入を2021年度中には実施するということです。参加者から質疑や意見などが活発に出されました。

学習会終了後、座長を議長に議事に入り、第1号議案「2018年度活動報告」、第2号議案「2019年度活動計画」、第3号議案「座長、副座長、事務局長の任命」について、一括して加藤房子事務局長(県連常務理事)から提案があり、全議案が承認されました。 「みやぎ版コンセッション方式」は、運営権自体が民間企業に移ることになります。本当に導入するかどうかの最後の判断は、自治体が個別に行うことになりますが、多くの県民は詳細状況を知らされていないことから、今後、学習会を開催することについて参加者全員で確認しました。

学習&映画「水道事業が『民営化』されたら私たちのくらしはどうなる?」開催(2019年7月18日)


日本の水道普及率は98%を超え、豊かな水源と高い技術力によって、世界有数の「飲める水道水」を誇っています。自治体が責任もって水道を運営することで、日本国憲法第25条の生存権のひとつである「公衆衛生」が保障されています。しかし、公共施設などの運営権を民間企業に委託する「コンセッション方式」の導入を、自治体の水道事業でも促進する改正水道法が201812月に成立しました。宮城県は、人口減少による水道事業の財政難、老朽化した水道管などの更新費用、職員の高齢化・減少などの課題解決策としてコンセッション方式導入による「みやぎ型管理運営方式」に向け、2016年度から準備を進めてきていますが、県民に対しての説明が十分行われているとは言えず、「水道」という最も基本的な生活のインフラについて、消費者が現状と課題を知る必要があります。県民一人ひとりが宮城県の水道事業の現状と課題を理解し、メリット・デメリットも含めた是非をめぐる議論が行えるよう、フォレスト仙台2階第1フォレストホールにおいて、学習&映画「水道事業が『民営化』されたら私たちのくらしはどうなる?」を開催し、構成団体・一般市民など185人が参加しました。

はじめに、ドキュメンタリー映画『最後の一滴まで―ヨーロッパの隠された水戦争―』の上映をしました。ヴェオリア社やスエズ社など水道事業の多国籍企業を有し、水道民営化の歴史が長いヨーロッパで、住民の運動や自治体議員の問題提起によって、2000年以降水道事業が再び公営化されています。水道料金が値上がりしたり、運営に関する情報が議会や住民に開示されないなど、民営化の問題点が大きな理由です。映画では、再公営化によって水道サービスを取り戻した自治体と、いままさに民営化を強いられている自治体の姿を取材やインタビューで明確にしています。水道事業の様々な課題に、「民営化」が解決策となるのか、水道サービスのあり方などについて、参加者が考えるきっかけになったのではないかと思います。

次に、NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表の内田聖子さんを講師に、「水は誰のものか?日本と世界の水道民営化」と題してご講演いただきました。1980年代から巨額の債務を抱えた開発途上国に、IMF/世界銀行は、公共サービスの民営化を融資の条件とし、水道民営化により貧困層に水の供給がなくなった。2010年代からは欧州債務危機後のヨーロッパでの水道民営化では、料金の高騰が起きた。一方、消費者運動により再公営化の動きが起きている。日本の水道事業が抱える課題に、「コンセッション方式」が解決策となるのか。水は地域自治の基本であることから、自分の自治体の水道事業に関心を持ち、消費者として意見発信する必要性を訴えました。

緊急学習会「私たちの水はどうなるの?~みんなの声を届けよう!~」開催 (2019年9月9日)


県民一人ひとりが宮城県の水道事業の現状と課題を理解し、メリット、デメリットも含めた是非をめぐる議論が行えるよう、フォレスト仙台2階フォレストホールにおいて、緊急学習会「私たちの水はどうなるの?~みんなの声を届けよう!~」を開催し、構成団体・一般市民など82人が参加しました。

はじめに、「みやぎ型管理運営方式」実施方針素案について、宮城県企業局水道経営課技術副参事兼課 長補佐(総括担当)の大沼伸さんからご説明がありました。参加者から、「運営権の契約を20年間にすると従業員の雇用が安定することに結びつくのか」「料金の上昇抑制は、人口減少も考慮しての事なのか」「大事な水のことについて、県民が意見を出せるのが今回だけというのはおかしい」などの質問・意見が出されました。


次に、NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表の内田聖子さんを講師に、「水は誰のものか?日本と世界の水道民営化」と題してご講演いただきました。内閣府は、2013年から公共施設の運営について民営化を可能にするコンセッション方式導入を各自治体に促進してきた。水道が抱える課題として、水道管路の老朽化があげられるが、現場ではきちんと現状を把握している。課題克服のためには、拙速にコンセッション方式導入で民間に運営権を売却するのではなく、水道事業を人口減少・節水型社会に対応するため、施設の統廃合などのダウンサイジングを行うことが先である。自治体の職員数は30年で4割減少しており、広域連携で、国・県・自治体の役割分担を明確にし、市町村水道事業の基盤強化や支援策を考える必要がある。県の水道事業にコンセッション方式を導入することにより、すべての問題が解決するわけではないことをお話しされ、1人でも多くの県民がパブコメを提出することの必要性を呼びかけました。水道事業の現状と課題、あり方について理解を深める機会となりました。

学習会「食品表示が変わる~食品添加物はどう表示される?~」開催(2019年11月26日)


フォレスト仙台第1フォレストホールにおいて開催し、各構成団体からのリーダー層の方々や職員など103人が参加しました。
講師に食品添加物表示制度に関する検討会委員でもある消費生活コンサルタント・一般社団法人フーコム事務局長の森田満樹さんをお迎えしました。
2015年にJAS法・食品衛生法・健康増進法の3つの法律を一元化し、表示項目を1つの基準と定めた食品表示法が施行してから、機能性表示食品制度がスタートし、栄養表示が義務化されました。
2017
9月には、全ての加工食品(輸入品を除く)への原料原産地表示が義務化されました。
2018年は遺伝子組み換え表示の改正が行われました。
そして20194月から、食品添加物表示制度の見直しについて検討されています。
食品添加物表示制度のあり方の検討にあたり、一括名表示、簡略化、類別名表示のあり方、用途名表示のあり方、「無添加」「不使用」の表示のあり方、栄養強化目的で使用した食品添加物の表示、食品添加物表示の普及、啓発、消費者教育についてが、論点になっています。特に、「無添加」「不使用」の表示のあり方については、消費者・事業者団体からのヒアリングにおいて、「無添加」「不使用」表示は規制すべきと共通認識になっています。食品添加物の無添加や不使用の表示は、それを使用しないことが優良であるような誤認を消費者に与え、場合によっては安全性を軽視する可能性もあり、それを強調するような表示は不適切とし、現行制度の見直しが必要となっており、ガイドラインを策定する方向で検討が進められています。
これからは、「分かりやすさ」と「知る権利」のバランスをどうさせるのか、表示は容器包装だけでなく、問い合わせ対応、インターネットやQRコード等の利用など、新しい情報提供のあり方の可能性についての検討、表示の義務付けは表示により情報が得られるというメリットと、表示に要するコストというデメリットがあることを消費者が理解しておく必要があります。食品表示制度はめまぐるしく変わっていくことから、消費者11人が、どのような食品表示が望ましいのか考えていくことが必要であることが、理解できる学習会でした。


令和2年度仙台市食品衛生監視指導計画(中間案)へ意見を提出しました(2020年1月6日)


仙台市は市民が健康で豊かな生活を営むことができるよう、平成 18 9 月に「仙台市食品の安全性確保に関する基本方針」を策定しました。必要に応じて随時見直しながら、より実効性ある施策を総合的かつ計画的に推進しています。「仙台市食品の安全性確保に関する基本方針」に基づく施策の一つとして「食品衛生監視指導計画」を毎年度策定し取り組みを進めています。
住民の意見をあらかじめ聞いた上で、次年度が始まるまでに年度の計画を作成するよう、食品衛生法に定められていることから、仙台市では「令和2年度仙台市食品衛生監視指導計画中間案」について、12月6日(金)~2020年1月6日(月)まで意見募集を行ない、消費者懇は仙台市健康福祉局保健所生活衛生課食品衛生係あてに意見を提出しました。

令和2年度仙台市食品衛生監視指導計画(中間案)への意見(PDF)


「令和2年度宮城県食品衛生監視指導計画(案)」へ意見を提出しました(2020年3月13日)


宮城県は、国が定めた「食品衛生に関する監視指導の実施に関する指針」に基づき、年度毎に食品衛生監視指導計画を定め、「食品衛生法」、「食品表示法」、「食品衛生取締条例」、「かきの処理に関する取締条例」、「と畜場法」及び「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」に係る監視指導について、県の実情を踏まえた監視指導実施に関する基本的な考え方を示し、重点的、効率的かつ効果的な監視指導の実施を推進しています。また、食品衛生監視指導計画は「みやぎ食の安全安心推進条例」に基づき策定した「食の安全安心の確保に関する基本的な計画」にも位置づけられているものです。
宮城県では食の安全を確保するため、2月14日(金)から3月13日(金)の期間、食品衛生監視指導計画案に対して、広く県民から意見を募集し、消費者懇は、3月13日(金)宮城県環境生活部食と暮らしの安全推進課食品安全班あてに、意見を提出しました。

「令和2年度宮城県食品衛生監視指導計画(案)」へ意見(PDF)